季節の和菓子と旬の食事。
虎屋 お正月の限定和菓子、花びら餅。
花びら餅は、宮中の行事食、菱葩(ひしはなびら）を原形とする味噌餡仕立てのお菓子です。
菱葩は、丸い餅に小豆の渋で染めた菱餅を重ね、甘く煮たゴボウと白味噌をはさんで二つに折ったものです。餅や大根、押し鮎など固いものを食べて長寿を願う歯固(はがため)という行事に由来するとも言われています。
餅は望月(もちづき)＝満月の望(もち)に通じることから円満の象徴で、ゴボウは押し鮎の見立てとされて、地中深く根をはることから家の安泰を願う意味が込められています。
おせち料理もそうですが、花びら餅も縁起のお菓子のひとつです。いい年にすることを願い、花びら餅を召し上がることをお薦めします。
虎屋では、1690年(元禄三年)に、菱葩を御所にお納めした記録があるそうです。江戸時代にも食されていたと思いを馳せてもロマンチックです。
