季節の和菓子と旬の食。
虎屋7月後半の限定生菓子、撫子。
秋の七草のひとつでもある撫子は、夏の盛りから次々と刈れんな花を咲かせます。撫子の花を模した型に紅色の粟羊羹を流し込んで作られている涼感ただようお菓子です。
粟製というのは、寒天を溶かして白双糖(しろざらとう)を混ぜて煮詰め、粟に見立てた新引粉(しんびきこ)を加えて色を付けたものだそうです。
食感の印象はそこまで私は感じることができず、寒天風の生地で白餡を包み込んだ水菓子と思って食べていました。この意匠は1697年からのもので300年以上続く意匠だということです。そのことだけでも、一度は目で愛でてから食べてみる価値があると思います。