季節の和菓子と旬の料理
虎屋 12月後半の限定生菓子、氷の上。
黄色い水仙を表現しているお菓子だそうです。黄色い水仙の花言葉は「私のもとへ帰って」だそうです。このコロナ禍で、大切な人に会えない日が続く中、私のもとへ帰ってとは、何とも時流に合致しているお菓子なのかと思えてしまいます。
凍てつく池や沼の側に、水仙が咲いているさまを表現して、氷の上という菓銘になっているようですが、別の見方をすれば、いつ割れて水の中に落ちてしまうかもしれないリスクと、氷そのものは冷たく、長くはその上にいられない、はかなさを感じさせる菓銘でもあります。すべてを今の自分に置き換えて考えるのは、食べる人の自由ですが、せっかくの美味しいお菓子なので、いろいろな想像を巡らすのも、上生菓子を食べる醍醐味だと思います。